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AI企業のM&A動向│AI開発プロセスを解説


2023年11月9日 M&A

AI企業のM&A動向について、LBP内でIT業界を担当している佐々木がご紹介します。

過去のIT関連コラムでは、IT業界の現状と課題やカテゴリ別のM&Aトレンド等について触れてきました。

【参照コラム】
・IT業界の現状と課題(2022年4月28日)
・IT業界におけるカテゴリ別のM&A【前編】(2022年7月26日)
・IT業界におけるカテゴリ別のM&A【後編】(2022年10月3日)

今回はIT業界のトレンドと言えるAIに触れていきたいと思います。

1.AIについて

 

 

まずは、AIの定義について触れていきましょう。
AIとは、「人工知能」と訳される言葉で、コンピューターやロボットなどの人工的なシステムに人間と同様の知能を実現する技術のことを指します。

AI技術には、機械学習、自然言語処理、画像認識、知識表現、意思決定などが含まれており、人間が行う知的な作業を自動化し、効率を高めたり、新たな知見を発見したり、問題を解決したりすることが可能になります。
最近では、AIが医療、金融、交通、製造、ロボット工学、教育、エンターテイメントなどの分野で広く活用されています。

AIの日本市場は、急速に拡大しており、大きな成長が見込まれています。
実際にAIを活用したビジネスやサービスが急速に増加しており、多くの企業がAI技術の導入に取り組んでいることは皆さんご存知かと思います。

一方で、国内のAI導入状況に関しては、欧州、中国、米国等を下回っており、他国と比較し、普及が積極的に進んでいる状況ではありません。

出典:総務省 IoT・AIの導入状況と今後の意向より弊社作成

まだまだ導入の余地があるAI市場ですが、AIを活用したビジネスやサービスの需要が拡大していくことで、AIの市場規模は今後さらに拡大していくことが予想されています。

2.開発プロセス

ここからはAIが開発されるまでのプロセスを簡単にご説明したいと思います。
AIができるまでのステップは大きく分けると4つです。

① AIの利用目的を決める
② データの収集
③ データを基にモデルを作成
④ 学習モデルをシステムに組み込み動作確認

AIを開発する上で肝になるのは②と③です。
大量の正確なデータは収集するのに膨大な時間を要します。
また、機械学習はいくつかの条件がそろってはじめて実用的な機械学習を実現することが可能になります。
・問題設定が明確であること
・十分な質と量の訓練データが用意されていること等

問題設定に関しては「コスト削減をしたい」などの抽象的な問題ではなく、「受信メールが迷惑メールかそうでないか」など明確な問題設定をしなければなりません。

十分なデータ量に関しては、例えば手書き数字の認識であれば、書く数字の画像が数千個は必要と言われています。

データが揃ったら、機械にモデルを作成させます。作成方法は大きく分けて2つあります。

① 教師あり学習
教師あり学習とは正解のあるデータを与えて、モデルを作成させる方法です。
例として電子メールのスパム判定があります。
メール毎にスパム、スパムではないとラベル付けをしてモデルを渡し、学習を重ねることでスパムメールの判断を機械的に行うことができる様になります。

② 教師無し学習
教師なし学習とは正解の無いデータを与えてモデル作成を行うことです。
こちらはクレジットカードの不正利用検知などで使われています。
過去の利用者の行動を学習しいくつかのグループにまとめ、似たような利用パターンがあったかどうかを判定することで不正利用を検知します。

また、最初に設定した利用目的に応じて適したモデル作成手法は異なる為、どの手法を採用して作成するかという選定も重要になります。

以下は一例です。
・ロジスティク回帰(ある事象が起こる確立を計算)
・分類(~を購入する組と購入しない組に分けるなど)
・ランダムフォレスト(並列に学習した複数の決定木に予測を行わせ、最終的な出力を多数決や平均で決定する手法)

最後にモデルを作成し終えたらWebサービスに組み込みます。
Webサービスに組み込む為にはHTMLやPythonの知識が必要となります。

また、機械学習を発展させたディープラーニングというモデル作成法もあります。
ディープラーニングは与えられたデータに基づいて特徴を自分で見つけ出します。
これは人間の脳の構造を模倣した学習方法です。

脳はいくつもの神経細胞どうしが互いに繋がりネットワークを構築しています。
1つの神経細胞がシナプスと呼ばれる接続部分を通じて他の神経細胞から信号を受け取り、信号の総量が一定を超えると次の神経細胞へ信号を送り情報を処理します。

ディープラーニングでは人口神経細胞を構築し、モデルの作成をします。
以前の機械学習では、物の特徴を見つける際に、事前に人がデータの特徴を指示していました。
しかし、この機械学習方法では特徴の指示を誤ると精度が下がるという課題がありました。
しかし、ディープラーニングを活用することでAI自らが特徴を見出すことができる様になりました。

ディープラーニングは機械学習と異なるモデル作成方法という訳ではなく、機械学習に内包されています。

以上が開発プロセスの概要になります。

繰り返しになりますが、開発プロセスにおける他社との差別化ポイントは、データの収集と、モデル作成にあります。
データ収集に関しては、データ収集代行会社を使う方法もあります。
しかし、データ収集代行会社は便利な反面、他社も容易に集められるデータは当然模倣することが可能で、同じビジネス(例:画像認識など)を展開する場合、差別化が難しくなります。
売却を検討する場合でも事業の独自性が乏しく高い評価を受けづらくなると思われます。

また、モデルの作成に関してですが、近年主流になっているディープラーニングは、課題としてモデルの作成に時間がかかるという点がありました。
これに対し、NTTグループの井田氏が開発したアルゴリズムでは従来の手法と比較し2~5倍ほどのモデルの作成時間の短縮を行うことに成功しました。

このように、同じディープラーニングを行う場合でも精度やモデルの作成時間等で優位性が有る企業は他社との差別化を図ることができ、買収サイドもモデルの作成を強化をポイントに関心を持つ企業の増加や、評価も高くなると思われます。

3.AI業界のM&A事例

これまでAIの定義や、開発プロセスについて触れてきましたが、AI業界ではどのようなM&Aが行われているのでしょうか。

上記の様にAI業界はM&Aが活発化しています。
IT業界に留まらず、様々な業界に注目されるAI業界は、異業種とのM&Aも期待ができます。

4.最後に

AIを含めたIT業界は各業界と密接に関わっており、ITの導入に大企業、中小企業問わず積極的な姿勢を示しています。
・M&Aを活用し、事業の成長を図りたい。
・大手傘下に入り経営の安定と人材不足、技術不足を解消したい。
このような方は一度M&Aを検討してみることも選択肢の一つとなるのではないでしょうか。
IT企業のM&Aには専門知識が必要となる為、専門業者に相談することをおすすめします。

IT企業の買収を検討している、もしくはIT企業を他社に譲渡したいというお悩みを抱える方は是非一度当社にお問い合わせ下さい。

参考文献
合原一幸「人口知能はこうして創られる」出版社 ウェッジ
Newton「ゼロからわかる人口知能完全版」出版社 ニュートンプレス

⇒LBPのM&Aサービスを見る

⇒LBPに無料で相談する

LBP佐々木

大学卒業後、第一生命保険株式会社に入社。
支社管轄、営業職員約300名の成績管理、支社経営企画業務に従事。
その後、個人事業主としてwebコンサルティング業務を行う。
顧客として、ホットペッパーアワード全国1位の大手美容院から老舗時計宝飾卸小売商社、クリニック、建設会社など多くのクライアントに対するwebコンサルティング業務を行い、2021年5月にLBPに入社。

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